原因：
回転軸に作用するトルクや曲げモーメントの変動周期、その軸の固有振動数に一致した場合は、共振振動となり軸が破損する危険がある

対策：
通常使用する回転数を危険回転数から少なくとも±20％以上は離す

原因：
主に軸の切欠き部など、応力集中する部分を起点として、繰返し荷重により疲労破壊する

対策：
切欠き部の形状を見直す
材料の強度を上げる
設計の安全率を大きくする

原因：
スプラインのすきま、歯形の不具合や軸のねじり振動により、スプライン面に叩かれることによって生じる微小変の剥離磨耗で、スプラインのガタの発生や叩かれ音により検知することができる

対策：
スプラインの材質や表面処理を見直し、粘度より高い潤滑材を使用する

軸受面が繰返し接触荷重を受けて生じるもので、うろこ状に剥れる現象をいう

原因：
過大な荷重、取付け不良、潤滑の不良、異物の浸入など
軌道面に対して斜めにフレーキングが現れるケースは芯出し不良、取付け不良による場合が多い

対策：
定格荷重の大きい軸受を使用する
適正な潤滑にする

潤滑油膜が破れて、大きな荷重で軸受面が微小の溶着を起こして生じる損傷

原因：
潤滑不良、潤滑剤不良、水の浸入など

対策：
潤滑の改善、水の浸入防止

原因：
軸受が回転しないで振動を受けるときなどに生じる
軌道面に転動体の間隔とほぼ同じ間隔で磨耗が現れる

対策：
輸送中の防振、適正な潤滑油の使用

軸受面が繰返しの微小振幅で薄い片状となって剥がされ損傷する現象をいう

原因：
潤滑不良、はめあい不良など

対策：
潤滑の適正化、はめあいすきまを大きくする

軸受の軌道輪と転動体とのころがり接触部に電流が流れた場合、薄い潤滑膜を通じてスパークが発生し、表面が局部的に溶融しくぼみができる現象

原因：
通電によるスパーク

対策：
軸受に電流が流れないようにアースをとる
軸受を絶縁する

過大な熱により軸受が変色、軟化、溶着する現象

原因：
潤滑不良、すきま減少、取付け不良

対策：
軸受すきまを大きくする
潤滑の見直し
取付け方法の改善

軸受すきまが過大のとき、はめあい面間が相対的にずれる現象で、鏡面またはかじり磨耗を生じる場合もある

原因：
軸受の締めしろ不足

対策：
締めしろの適正化、不可荷重の軽減

NSK（日本精工）のホームページに、詳しい解説や、各種損傷の写真があります。

http://www.jp.nsk.com/tech-support/manual/doctor/index.html

リンクが正常に動かない

原因：
ピン結合部、すべり子結合部の過大磨耗

対策：
結合部の材質、受圧面の見直し
取付け精度の改善
潤滑方法の適正化

リンクが固着して作動不良となる

原因：
ピン結合、すべり子結合部の焼付き、リンクピンの破損、リンクの変形

対策：
結合部の材質、受圧面の見直し
取付け精度の改善
潤滑方法の適正化

従動子が所要の動きにならない

原因：
カムの磨耗、従動子のはめあい部の不具合、従動子の変形

対策：
材質の見直し、潤滑方法の見直し

従動子が作動不良となる

原因：
従動子のはめあい部の焼付き、従動子の破損、変形

対策：
従動子の材質、形状の見直し、潤滑方法の見直し

液体（油、水）配管内の気泡や気体（空気、ガス）配管内の凝縮水などがたまることを避けるため、あらかじめ配管の施設時に勾配を設ける

適正な勾配
油圧配管：1/250　先下がり勾配
ガス配管：1/100　先上がり勾配
蒸気配管（吸気管）：1/250　先下がり勾配
蒸気配管（還水管）：1/250
冷媒配管：冷凍機に向かって1/100　先下がり勾配

油圧配管（油）：使用最高圧力の1.5倍の圧力、30分以上
ガス配管（気、煙）：420mmAq以上（高圧波5.6kgf/cm²以上）
蒸気配管（水）：最高使用圧力の2倍の圧力、30分以上
冷媒配管（気）：高圧側16kgf/cm²以上、低圧側13kgf/cm²以上

配管系におけるバルブ、コックなどの流れを旧に閉じたときに生じる異常圧力のこと
配管、継手、機器、計器に振動、騒音を発し、時には破損に至る

対策：
フラッシュ弁など急閉止栓類の近くに空気室（エアチャンバ）を設ける

歯車材料の許容強度以上の過負荷により歯部の一部又は全部が破損するもので、破断面は脆性は断面を呈している

対策：
歯形状（歯高、歯厚、転位係数など）の見直し、材料の強度アップ、運転荷重の低減

一部に生じた破損（クラックなど）を起点として、次第に歯の内部へ亀裂が進行していき破断に至る現象で、起点を基とした貝殻模様の縞模様マークが生じることが多い
歯断面は光沢のある金属色を呈している

対策：
設計（かみ合い率など）の見直し、材料強度アップ、潤滑油の粘度アップ

接触面に異物（砂など）が入り異常に磨耗するもの
梨地状研磨面を呈する

対策：
潤滑油の供給量、粘度、清浄度のアップ、歯面硬度アップ

油膜が切れて金属同士の接触により、深いむしれ状の磨耗跡が生じる

対策：
潤滑油の粘度および供給量アップ

繰返し荷重が材料の疲れを超えたときに発生する
不規則な虫食い状の磨耗跡が特徴

対策：
歯当り修正、歯面の硬化、材料強度アップ

歯表面が高温により変色している

対策：
潤滑油の油量を増加、歯面硬度が低下したものは交換

連続的、相対的に回転音が異常に大きくなる場合は、歯の磨耗、中心距離の不具合、バックラッシの不良が原因
断続的に回転音が大きくなる場合は、歯の破損や芯出し不良が原因

対策：
歯車取付け精度を修正

ベルト車に対しベルトが過大にスリップし発熱、発煙する

原因：
ベルトの張り不足、ベルト車との摩擦不足、ベルト車の平行不備

対策：
滑り止め剤の塗布、テンションプーリの使用、取付の適正化

回転するとベルトがベルト車から外れる

原因：
ベルト車の平行不備、ベルトの張り不足

対策：
取付けの適正化、テンションプーリの使用

原因：
ベルトの張り不足により,過度のスリップ熱が発生し,底ゴムが劣化
背面アイドラプーリの径が小さく逆屈曲された場合に底ゴム,帆布に亀裂が生じる

対策：
適正な張り調整によるスリップ防止
アイドラプーリ径の増加または除去,あるいは内側に移す

原因：
異物の噛み込み,負荷変動,衝撃荷重が大きい場合に芯体の疲労が進み細大負荷時にベルトが切断

対策：
実働負荷に合わせて再設計,ベルトの本数を増やす
異物混入防止のためにベルトカバー取付

原因：
異物の噛み込み、ミスアライメントが大きい為にベルトが横転

対策：
プーリアライメントを正しく調整（平行度、偏芯度）

原因：
ベルトのスリップ.プーリのミスアライメントが大きい

対策：
ベルトの張りおよびプーリのアライメントを適正に調整する
プーリ溝表面にキズおよび磨耗が著しい場合は、新しいプーリに取り替える

原因：
油、グリース、または薬品などがベルト表面に付着している為、ベルト表面がべたつき、棒潤し帆布の剥離が発生する
油が付着している為ベルトがスリップしている

対策：
ベルトおよびプーリの表面に付着している油、グリース、薬品類を乾いた布で完全に拭き取る

ローラチェーンではたるみ量が軸間距離の4％程度になるように調整する

音が非常に高くなり、叩かれ音が発生する

原因：
チェーンの伸び、スプロケットの磨耗、取付精度不良

対策：チェーンの張り調整、スプロケットの交換、潤滑方法の見直し

原因：
潤滑不良.異物の混入.軸粗さの大

対策：
潤滑油の量、粘度の適正化と管理.異物の混入防止.軸粗さの改善

原因：
加工精度の不良.剛性不足

対策：
加工精度の向上.剛性アップ.荷重条件の見直し

原因：
潤滑不良.すきま過小

対策：
潤滑量,粘度,油溝の見直し.すきまの適正化

原因：
潤滑不良.異物の混入.すきまの過小.組付け不良など

対策：
潤滑関係の見直し.異物の混入防止.荷重条件の見直し.取付誤差の修正

原因：
腐食性ガスまたは液,水の浸入

対策：
潤滑油の変更.環境の改善

初期ピッチングのような非進行性のもの以外の損傷が発見されたら、使用限界として交換するなどの手を打つべき

診断：
バックラッシの大きさで判断する場合もあるが、平歯車,はすば歯車,やまば歯車,すぐばかさ歯車などでは、振動を用いて判断を行い使用限界を決める

一般に振動周波数1000Hz以下では、振動速度が5mm/s以下であれば良好と判断

但し、形式や大きさなどの諸条件により変動があるので、あらかじめ正常値を測定しておく

水平方向、垂直方向、軸受方向の3方向を測定する

いずれの損傷においても軽微なものであれば、修正など措置をして再使用可能

但し、かじりや焼けなどの熱影響を受けたものは硬度低下を伴っている可能性が高いので、再使用は避けた方がよい

診断：
振動周波数と振動加速度を用い、ころがり軸受の寸法や回転速度などから計算で求めた傷のある場合の振動数と比べてどこに損傷があるかを診断する

内輪、外輪、転動体それぞれ振動数が違う為、損傷の場所が判断できる

その程度については正常値を記録しておき傾向管理によって判断する

Vベルト

クラックや側面の異常磨耗、棒潤などがあれば新品と交換する
多本がけの場合、他のベルトが痛んでいなくてもすべて交換する

溝部の磨耗が大きくなったり、ベルトと接触して底面が光っている場合に交換する

正常な場合はVベルト上面がVプーリ外径より出ているが、これが一致したときをVプーリ交換の目安にするとよい

使用限界は一般にチェーンの伸びで判断する

ピンとブッシュの摺動面が磨耗して、あそびが大きくなり全体として伸びた状態となる

チェーンの伸びは1.5％を目安とする
スプロケットの歯数が多くなく、かみ合い不良を起こさない範囲であれば3％
低速の場合5％まで

プレートやローラのクラック、ピンが回転している場合およびプレートの側面が磨耗し、磨耗量がプレートの高さの5％以上になったときなども交換の目安

磨耗が進み歯厚寸法が小さくなった程度で判断

目安は50番で3mm以下、80番で5mm以下、100番で7mm以下になったら交換時期

焼入れされたスプロケットでは、焼入れ層がなくなったとき

スプロケット歯の側面が当って削られている場合は、取付不良やチェーンのなじれなどが原因である為、修正または調整が必要

磨耗が大きいスプロケットはチェーンの寿命を悪化させる為チェーンの点検と共にスプロケットの点検も怠ってはならない