| 浸炭（JIS記号HC） | |
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低Ｃ鋼（通常肌焼鋼といわれている）の表面にＣを浸透して高Ｃ鋼とし、その後焼入れして表面を硬くする方法 「外硬内柔」となって耐磨耗性、耐疲労性、耐衝撃性が向上する Ｃが浸透するにはオーステナイト状態（Ａ1変態点,730℃以上）が必要なので、浸炭温度としては通常930℃付近を目標にする
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| 炭素量 | |
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一般的には共析浸炭といって0.9％Ｃに浸炭する スーパー浸炭1.1～2.0％、甚だしいときには4％Ｃくらいに浸炭し、耐磨耗性向上用浸炭として実用化されつつある
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| 浸炭後の焼入れ | |
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①一次、二次焼入れ（オーソドックスな方法） 浸炭後、空冷してから再加熱して一次焼入れ（900℃焼入れ）、二次焼入れ（800℃焼入れ） 一次焼入れは芯部（コア）の結晶粒の微細化 ②ジカ焼入れ（実用的な方法） 浸炭温度（930℃）から800℃まで炉中空冷してから焼入れする方法（省エネ、作業簡略化） 焼ひずみの点から油焼入れが普通
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| 焼戻し | |
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浸炭焼入れ後は180～200℃×1ｈの焼戻しを行う これは耐磨耗性の向上と研磨割れを防ぐ為に絶対必要なプロセス ジカ焼入れしたものには、表層に残留オーステナイト（γＲ）が多いので、サブゼロ処理を施すことがある（もちろんサブゼロ処理後は低温焼戻しを行うことが必要）
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| 有効硬化層深さ | |
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HV550（HRC50）までの深さ（通常これを採用する）
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| 固体浸炭 (JIS記号HCS) | |
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固体浸炭材（木炭＋炭酸バリウム15～20%）の中に鋼部品を埋め込んで、約930℃に加熱する 加熱時間 浸炭防止 浸炭防止剤を塗布するのも有効
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| ガス浸炭（JIS記号HCG） | |
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浸炭性ガス（天然ガス、都市ガス、プロパンガスなどを変成したもの）雰囲気中で加熱し、930℃で3～4h保持すると約1mmの浸炭深さが得られる 浸炭後はジカ焼入れ（油冷）する
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| 浸炭窒化 | |
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窒素を少量混入すると浸炭窒化となって、硬い硬化層が得られる しかし、窒素を含んだ浸炭層は黒染めなどの表面処理がうまくいかないので注意
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| 液体浸炭（JIS記号HCL） | |
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青化物を主体とするソルトを使用し、これを900℃に加熱浴融して、この中に処理物を浸漬して浸炭する 主として浅浸炭（厚さ0.5mm以下）に適応される
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参考：ＪＩＳ使い方シリーズ 熱処理技術マニュアル 増補改訂版,日本規格協会